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コラム

その94 「学歴と職歴」

今回は、「学歴と職歴」についてお話したいと思います。

能力主義・実力主義という言葉とは裏腹に、今の世の中は学歴偏重・職歴重 視の時代です。異論はあると思いますが、実際に会社を退職し、就職戦線に 参加された経験を持つ方には、身にしみてお分かりだと思います。学歴もな く、たいした職歴もない人が希望の仕事に就くことは至難の技です。まず、 面接以前に門前払い、履歴書を出してもお断りの手紙というパターンになり ます。

私自身が経験していますから、これは間違いありません。また、年齢という 大きな壁もあります。その人がどのような人物であり、どのような能力を持っ ているのかという判断をする前に、年齢というものでフルイにかけられます。
砂場でフルイを使ってみれば分かるとおり、残る砂粒もあればふるい落とさ れる砂粒もあります。企業によってフルイの目の粗さに違いはありますが、 年齢が上がれば上がるほど、どのフルイにも引っかからなくなっていきます。
これが現実です。

したがって、これといった学歴・職歴もなく、年齢も若くない人は会社が嫌 でも辞めることすらできません。実際、家族のため子供のために我慢して勤 めを続けている人もかなりの数いらっしゃるのではないでしょうか。

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学歴・職歴も関係ない、年齢が高くても実力さえあれば、時間をかけず希望 の仕事が見つかる。転職による不利もまったくない。このような社会になれ ば本当にすばらしいでしょう。しかし、これはそう簡単にはいかないように 思います。

サラリーマン的世渡りも上手さで出世をしてきた人は、他人の能力を判断す る力がありません。能力のない人間が他人の能力を的確に判断できる道理は ないのです。ただし、このような人にもただ1つ優れた能力があります。そ れは、「保身」というものです。サラリーマン社会の中で身を守るすべとい うことです。この「保身」はサラリーマンである限り、絶大な力を発揮しま す。つまり、失敗しても自分が責任を負わなくてすむように、上手く立ち回 ることです。

基本的にこのような人々が面接をし、採用の判断を任せられているとしたら、 結果は明らかです。採用した社員が使い物にならなくても、「○○大学卒と いう基準で選んだ、このような職歴を持っているから採用した、しかし、期 待はずれだった」という言い訳ができますから。また、上司よりも年齢が高 い部下は使いづらい、自分より能力が高い人間が入ってきたら自分の立場が 危うくなる、などといった基準もあるように思います。

このような考えは、そう簡単にはなくならないでしょう。なくなるとすれば、 将来、極端な人手不足の時代になるか、あるいは終戦直後のような混乱の時 代になるかのどちらかではないかと思います。もう一度繰り返せば、現代の サラリーマン社会においては、学歴・職歴にさしたるものがなく、年齢が高 ければ、能力を発揮できる舞台に立つことは不可能に近いのです。

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学歴・職歴がなく年齢が高い人、このような人が会社を辞めたならどうなる でしょうか。再就職先が見つかるまでに相当な時間がかかり、その間生活は 困窮します。さらに、半年、1年と苦労しても、自分の本当に希望する企業 に再就職できることは極めて稀でしょう。

とすれば、道はただ一つ。自分で食べていくしかありません。

私自身がまさにその典型です。大学は卒業しておらず、オーナー会社の中小 企業に15年勤め、退職したのは40歳にもなろうとする頃でした。さした る能力・資格も持たず、唯一持っていたのはFPだけでした。英語は話せず、 簿記はできず、パソコンも使えない、運転免許もない。このような人間をま ともに扱ってくれる会社などないのが当然です。

しかし、このように何も持たない人間が会社を辞める直前にたまたま取得し たFP資格が、その後9年間生活を支えてくれることになるのですから、人 生は本当に不思議です。

実は、サラリーマンを辞めてしまえば、学歴・職歴はほとんど意味がなくな ります。自営業の世界はお金を稼ぐ人間が偉いのです。お金になる人間の周 りには、人が集まります。その世界では職歴など無意味であり、その人に力 があるかないかが判断の基準になります。まして、何十年も前に卒業(中退) した学歴を問題にするはずもありません。

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私がFPで独立してから面白いことがありました。ある企業で講演を頼まれ た時のことです。セミナー・講演では、開始前に講師略歴を司会の方が披露 することが多いのですが、その時の司会進行の方はかなり緊張されていたよ うです。話すことをすべて紙に書いてあるようで、それを見ながら司会をし ていました。

「本日の講師を紹介させていただきます。先生は早稲田大学を優秀な成績で .....ちゅうちゅうちゅう.....」。ねずみじゃないんですから(笑)。私が 事前に出した経歴を本番前に良く見ていなかったのでしょう。「中退」と読 みかけてマズイと思ったのでしょうね。事実ですから、一向に構わないので すが。優秀な成績でというのは、司会の方が勝手につけたものです。結婚式 の決まり文句ですよね。でも、優秀な成績であれば何で中退するのだろう??

冗談はさておき、もし読者の方でかつての私に近い状況の方がいらっしゃっ たら、ぜひ具体的に独立を準備されてはいかがでしょうか。
嫌なことを続け ているよりも、自分の好きなことをやり、それで食べていけるように頑張っ てみるのも手です。人生は1回しかありませんから、あとで後悔しないよう にしたいものです。

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