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コラム

その133 「コミュニケーションの難しさ」

今回は、「コミュニケーションの難しさ」というテーマでお話したいと思います。

FPの仕事は、すべてコミュニケーションを取ることによって成り立ってい るといっても過言ではありません。相談業務、原稿執筆、講演など、相手方 が単数か複数か、片方向か双方向かの違いがあるだけで、すべて顧客とのコ ミュニケーションが上手にいくかどうかが成否のカギを握っています。

このように、コミュニケーションはFP業務の根幹をなすものなのですが、 これがどうも上手くできない人がかなりいらっしゃいます。本人は一生懸命 やっているつもりなのでしょうが、残念ながら仕事は結果がすべてです。顧 客の満足を得られなければ、その過程は評価されません。

「こんなに一生懸命やっているのにわかってもらえない」という考えは、ビ ジネスの社会では甘えとしか捉えられません。そんなセリフを言ったりや態 度を取ろうものなら、「あいつは使えない人間」あるいは「自分のことしか 考えていない人間」と判断され、誰にも相手にされなくなるのがオチでしょう。

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私の周囲にも、このようにコミュニケーションが上手くとれない人間、また 極端な場合にはコミュニケーション能力がゼロと思われる人間がたくさんい ます。そんなことでは、FPで生計を立てていくことなど到底おぼつかない でしょう。いや、どのような職業に就いたとしても、決して一人前になるこ とは不可能でしょう。

一例をあげてみたいと思います。

・相手の気持ちを考えたしっかりした電話の応対ができず、みすみす良質の  顧客の依頼を失ってしまった。

・忙しいという理由でメールでの問い合わせにぞんざいに返答し、信頼を失っ  てしまった。

・ビジネスパートナーに対して、重要な事実を自分から報告せず、相手に聞  かれて初めてその事実について話す。

・自分の管理下にある人間とコミュニケーションが取れず、その責任をすべ  て自分が負うことになり、取引先に対して謝ってばかりいる。

・ビジネスパートナーに対する重要メールを、責任を果たすために事務的に  送るだけで、どのような意味を持つのかどのようにするつもりなのかとい  う相手が本当に知りたいことをコメントしない。

・重要事実をビジネスパートナーに一切相談せず、自らが仕切ってすべて決  めてしまおうとする。

・ビジネスパートナーの衷心からの忠告を無視し、その結果失敗すると結局  その人間に頼ることになる。

・自分のミス・欠点を指摘されても、自分は悪くないという考えを曲げず、  反論や言い訳をすることのみに注力し、欠点を是正することに頭が回らな  い。

・講演などで予想された出席者の属性が事前の予想と異なっていた場合、自  分の準備していた話に固執してしまい、臨機応変に対応できない。

・自分で考え苦労することをせず、他人のセミナーの内容・レジュメをパク  ルことにより、セミナー本番で臨機応変に受講者とコミュニケーションを  取ることができず、失敗して主催者側からクレームが出る。

これらは実際の事例なのですが、原因はすべてコミュニケーションが取れな いことに因ります。相手の気持ちを推し量り、それに対してどのように対応 したらよいのかを考え、行動に移すことが大切なのです。頭を使って考えず、 小手先の愚策で乗り切ろうとしても無理というものです。

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このように、コミュニケーションが上手くとれず、私生活でも仕事でも対人 関係が上手くいかない人の取る行動パターンは決まっています。コミュニケー ション、人間関係に関する書物を読み漁り、高いお金を出してスキルアップ の講座に通ったりするのです。これで上手くいけばいいのですが、大抵の場 合、事態はまったく改善されません。なぜでしょうか?

こういったものは、理論が確立されていてそのマニュアル通りにやればよい といった類がほとんどです。このようなことを勉強し、表面上のスキルを身 に付けたとしても、他人の気持ちを推し量るという人間性の部分が改善され なければ結局同じことになります。いや、同じことではなく、心を持たず、 表面上のスキルに頼った人間関係を作ろうとすれば、人間を見る目がある人 には見透かされ相手にされなくなってしまいます。

最近はこのようなマニュアル方式が横行しています。チェーン店などでコミュ ニケーションレベルが低い人間を使って、顧客へ均質なサービスを提供しよ うということなのでしょうが、逆効果になる場合が多いように思います。

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先日、あるラーメン屋さんに昼食を食べに行きました。スケジュールが詰まっ ており、食事もそこそこに店を出なければなりません。さっと食べてしまい、 伝票を持ってレジに行き、千円札を出して会計をしようとしました。ところ が、その店の店員がマニュアルを絵に書いたような馬鹿丁寧、こちらが千円 札を出して体半分店を出ているのに、いちいちマニュアルに書いてある手順 を踏んでぐずぐずしているのです。状況判断ができないというわけですね。

早く釣りをくれという気持ちでいらいらしているのに、言ったセリフが「千 円からで宜しいですか」でした。こちらは千円札をずいぶん前につり皿に出 しており、小銭を探すそぶりもありません。とっとと、釣り銭をよこせとい う気持ちで黙って手を差し出すと、また「千円からで宜しいですか」です。
結局、私が怒鳴るまでに「千円からで宜しいですか」を三度繰り返しました。
このような店には二度と行く気が起こりません。

レンタルビデオ屋などでもそうですね。DVDを借りるとマニュアルどおり に、「ご確認をお願いします」といちいちタイトルを読み上げ、現物のタイ トルと確認させるような店があります。これは間違いを防ぐためのマニュア ルなのでしょうが、なぜ客のほうがそんなことにつき合わされなければなら ないのでしょうか。間違えないようにしっかりやるのは、その店の責任でしょ うに。

うんざりしているところに店員が言ったセリフが「このDVDは以前にもお 借りになっていますが、宜しいでしょうか」というものです。私は以前に借 りて面白かったから、また借りようとしているのです。余計なお世話だと言 いたくなります。以前見た同じものを間違って借りたとしても、それは客の 責任です。店のリスクを顧客に負担させ、顧客のリスクを店が負担するよう なマニュアルはどうしようもないです。

このようにマニュアルに頼ることはとても危険な側面を持ちます。特に、F Pの仕事においては、1人1人と誠意を持って対応することが信頼につなが ります。頭も使わずに、決められた手順を踏んでいるだけではリピーターに なっていただくことはとてもできません。顧客が求めているのは、私の不安 を聞いて欲しい、私のための解決策を教えてほしいということなのですから。

最後にもう一度申し上げますが、相手の気持ちを思いやることがすべての基 本です。小手先のテクニックを身につけることはやめにして、顧客に信頼さ れる人格を身につける努力をしていきましょう。

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